"悪徳企業
大西: でも、ちょっと次元の違う意味で酷いところがあります。企業名を言うと、アトックス(ATOX)という会社。
元の名前がすごいです。「原子力代行」。代行というのは、「原発における諸雑務、一番下の仕事に人夫出しをしますよ」ということです。
カタカナとかローマ字になっているからごまかされるけど、一番ひどい会社です。ある意味、東電以上。
樋口健二さんの写真集に、「雑巾掛けが一番あぶないんだぞ」という話が出てきますが、その作業をやっているのはアトックス。
―― どういう点が酷いのですか?
大西: 僕ら放管が、作業員をサーベイしていると、とにかく一番無防備で、危険な作業しているのが、アトックス。作業員の線量が一番高いのです。
知っている人は、みんな元請けがアトックスと聞いたら、その会社には行かない。アトックスの人に関しては、地元の人はいないです。
知らない人がアトックスに行く。東京のプレカリアート層になる。
普通に「寮付で、飯が食えますよ」と、雑誌とかホームページに出ている。
もちろん、危険な作業への従事についてなど、一言も書いていない。
たしかに、アトックスでは、技術は必要ないです。いまだに、雑巾掛けですから。
しかも、アトックスは、タイベックも着せないで、低レベルの放射性廃棄物を扱わせたりとかしていている。僕らだったら、危険作業に従事していることをわかっているから、低レベルでも放射性廃棄物を扱うときは、タイベックを着て、ゴム手袋を二重にはめて作業をするけど、アトックスの人は、綿の手袋だけで、タイベックも着ない。そういうことを知らない。もしくは、下手するとゴム手袋とかタイベックを着ることを禁止されてるかもしれない。分からないけど。
だから、放管として、一番気をつけているのは、アトックスの作業員。
他の作業員は、タイベックを着ているから、それを脱いだら、そんなに線量は高くない。だから、そんなに詳しくはやらない。だけど、アトックスの作業員だけは、どの放管も、とにかく、袖口とか、一番汚れやすいところを厳しくやって、すぐに水で洗うようにとか、アドバイスをしています。
◇労働条件引き下げの先兵
大西: 原発専門で人夫出しをしたら儲かるということで、1980年代の派遣法改正のときに、真っ先にそれに目を付けたのがアトックス。それがいまや、日本では一番大きい人夫出し業者。全国区で展開している。
発注元が東電だとすると、元請けが東芝とか日立とかで、その下の1次下請けになる。1次下請けの立場で、全ての業務をこれから抑えようとしている。
人をシステマティックに集めるノウハウを持っているからですね。
ヤクザなんかとかは違う。数年前に問題になった人材派遣会社のグッドウィルみたいな感じと言えば、イメージが浮かぶのでは。
とにかく労賃がむちゃくちゃ安い。そして、元請け企業には、格安で受注しています。タイベックスを着なければ、それで経費が浮きますから。
実は、原発労働者の労賃が、すごくディスカウントしているけど。アトックスの影響がものすごく大きい。
あらゆる元請けに、アトックスが入り込もうとしているので、そのおかげで、どんどん労賃が下がり続けている。除染作業は、アトックスがほぼ独占しようかという勢い。
だから、除染というと、単価の話になって、安ければ安いほど良いかもしれないけど、実は、それが原発の被ばく労働の単価をどんどん押し下げている。
結局、アトックスが、賃金の面でも防護策の面でも、労働基準法や放射線障害防止法の壁を取っ払う役割を果たしている。
冷血ですよね。次から次へと供給できるから、労働者を使い捨てにしている。アトックスの働かせ方は、危険だと感じています。
―― アトックスに雇われている人たちは都市の若年層ですか?
大西: そうですね。一番若いです。ほぼ全員二十歳代。
現代の縮図みたいです。
地元の人はほとんどいない。
現場でも、アトックスの人だけ孤立してますね。かわいそうですよ。
しかも、他の下請けに行ったら、しばらくいればある程度の技術なりが身につくでしょうけど、アトックスにいたら技術も身につかないですから。何年やってもふき掃除、何年やってもごみ片付けです。
―― アトックスの実態はマスメディアには知られてない?
大西: 知られてないでしょう。
――労働運動では?
大西: 多分、僕しか知らない可能性が。原発労働者の間では有名ですよ。アトックスって言ったらもう「あんな危険なことさせてるよ」とか「あそこの除染作業をあんなダンピングの価格で請け負っちまって、おれらどうすりゃいいんだよ」とかね。
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福島 フクシマ FUKUSHIMA 原発収束作業の現場から ある運動家の報告 (via deli-hell-me)
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